平成24年度入学式

2012.04.13 17:49|入学式
平成24年4月6日(金)
今年も看護師を目指す新入生50名入学してまいりました。

式典の模様を写真で紹介させていただきます。

また、現実主義、現場・実学重視でファンの多い
「山室学校長の入学式式辞」を
掲載させていただきます。



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平成24年度入学生です。

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在校生よりの歓迎の言葉

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入学生よりの誓いの言葉



山室 誠学校長 入学式式辞
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 春の訪れは遠い感じですが、例年のごとく多数の御来賓ならびに保護者の方々の御臨席を賜り、入学式を迎えられたことを心から感謝申し上げます。
 新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。
保護者の方々におかれましても、安心と喜びを噛みしめていると思われますが、心からお祝いを申し上げます。
新しい仲間を迎えて、八戸看護専門学校の教職員ならびに在校生一同、皆さんの入学を心から歓迎いたします。
職業には貴賎はないと申しますが、看護職は尊い仕事、聖職の一つと言われており、皆さんが、多くの職業の中から看護師を選択して、本校に入学されたのは、大変素晴らしい事だと思います。
 一方で、卒業後1年以内の離職率が増えている事からも解るように、看護師ほど理想と現実のGAPが大きい職業はありません。本校でも、看護師になる意欲の喪失を理由に学校を去る学生が年々増加傾向にあります。
入学試験の面接で「看護師とはどんな仕事ですか?」あるいは「看護学校では、どんな勉強をするのですか?」と尋ねました。的外れな答えに、何度も私に質問されて涙した受験生もいました。残念ながら、誰からも満足な回答は得られませんでした。
 受験生が夢見ている看護師とは、医者を助けながら、患者の精神的支援や心のケアをするために、看護学校では、臨床心理学やコミュニケ―ション等を中心に学ぶと考えているようです。
看護学校の受験生が抱く、夢見る看護師像と実際の看護職とのGAPの様なものを、医学部の受験生に感じた事はありません。
 それは、看護師と医師の「ナイチンゲール」に対する評価の違いに似ている様に思われました。
クリミヤ戦争の時に、「白衣の天使」の語源にもなった、蝋燭をもって患者のベットの間を優しく声を掛けながら回診する「ランプの貴婦人」とも言われた、あのフローレンス・ナイチンゲールです。
しかし、医者仲間がイメージするのは、データを記入したメモでポケットが膨らんだエプロン姿で、床を掃除し、血や膿で汚れたシーツを取り換えるナイチンゲールの姿です。
 もしかすると受験生は、看護学校の載帽式などに用いられるナイチンゲール誓詞のイメージが強いのかも知れません。しかし、ナイチンゲール誓詞は、医師に対する「ヒポクラテスの誓い」を模倣して、デトロイトの看護学校の校長夫人が看護師用に勝手に作成した「看護婦版のヒポクラテスの誓い」です。
 ナイチンゲールの業績は、まず、クリミヤ戦争に従軍して、兵舎病院の衛生改善に努力したことです。具体的には、ベット同士の間隔を広くし、シーツや傷口のガーゼなどの洗濯回数を増やしました。
 次に、陸軍の衛生改善に向けての組織改革に参加協力しました。
 さらにイギリスにおける統計学の基礎を築いた事
 看護の領域に初めて統計学を持ち込み、衛生改善などのデータを視覚化して、看護の知識がないエリザベス女王にプレゼンテーションし、多額の援助金を獲得しました。
 そして、看護専門学校を設立し、名著「看護覚え書」を表す、など、サイエンスとしての看護学を実践した素晴らしき医療者そして教育者こそ「ナイチンゲール」の実像です。

 同時に「白衣の天使」の説明として
「天使とは美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する人々のために戦う者である」
と言う名言を遺しています。

 一時代前は、「美しい花をまき散らす白衣の天使」への憧れだけでも「優しさ」があり、看護学校で普通に努力して行けば、何とか「看護婦さん」として対応できたのかもしれません。
 しかし、ここ20年ほどの間に、特に介護福祉分野の専門性が確立されるに従い、看護師の役割は医療安全や感染予防対策、慢性疾患の生活指導、救急・災害医療、さらには緩和医療など、日増しに担当領域が拡大し、さらにその分野での科学的根拠に裏付けされた、より高度な専門性が要求される様になっております。看護師にとって、優しさは人間性の向上には不可欠でも、優しさが売り物になる仕事ではありません。
 今こそナイチンゲールが実際に身を持って示した看護師像を見つめ直すべきだと思います。

 解剖生理や病理学などの知識と清潔操作や分娩介助などの看護技術を、僅か3年間で習得しなければなりません。時間的にも体力的にも、厳しい学校生活は、おそらく新入生の想定外の事になると思います。
 本校は、今年も、国家試験の合格率、就職率は100%でした。しかし、残念ながら入学者全員が卒業時に揃っていたわけではありません。
 看護師と言う仕事も、学校でどんな勉強をするのかも知らなかった。しかし、それでも皆さんは、全員が看護師として本質的な事柄だけは身に付けていました。だから、合格になりました。
本質的な事とは、「人に関わって、人の役に立つ仕事をしたい」という強い想いです。この想いは、自分が他の人から優しくされた経験がなければ、決して芽生えることはありません。
 皆さんは、御両親や友人など、良き人々に囲まれて育って来たお陰で、絶対必要条件は与えられていました。これを十分条件に育てられるかどうかは皆さんの努力次第です。

「苦悩する人々のために戦う者」、それが看護師です。そのための準備を整える場所が看護学校ですから、厳しくても、頑張ってください。

 毎日の辛く厳しい経験の一つ一つが、実は、皆さんが憧れた「優しい看護師」への道にも直結します。
何故なら「自分の辛く厳しい経験の分だけ、他の人に優しく出来る」、言い換えますと「自分に厳しく出来ない人は、他の人に優しくすることは出来ない」と言われているからです。
 入学式としては、厳しすぎる言葉になりましたが、大震災後の復興の担い手となる世代の皆さんには、一人も欠けることなく全員で国家試験を通り、一人前の看護師になってもらうために、教職員一同の決意も込めて、敢えて苦言を呈する次第です。
 最後になりましたが、新入生並びに御列席の皆々さまの御健康と益々の御発展をお祈りして、式辞とさせていただきます。


  平成24年 4月6日
  八戸看護専門学校 
  学校長 山室 誠



コメント

入学式から早2ヶ月が経ちました。
この2ヶ月、毎日を何かに追われるように過ごしてきましたが、やっと最近になって少し心に余裕が出てきたように思います。
授業をしっかり聞いているつもりでも、解らないことやうまく理解出来ないことが多々ありますが、友人と考えたり自分で調べてみたり、それでもわからなければ講師の先生に聞いてみたりしているうちに、不安がなくなり勉強することが楽しくなってきました。
学内の教務の先生方も、本当に学生のために力を尽くして下さっているのだとかんじます。
改めて山室学校長の入学式での式辞を読み返してみて、一層看護師になりたいという気持ちと勉強したいという気持ちが湧いてきました。
学校長の言葉を忘れずに進み続けたいとおもいます。
八戸看護専門学校で学べることを誇りに思います。
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